概観諸元

分類:駆逐艦 クラス:1等駆逐艦
艦番:1939海軍軍備充実(④)計画甲型(一等)駆逐艦第115号艦
起工:1940(昭和15)年起工 竣工:1941(昭和16)年竣工
型式:陽炎型 艦番:最終19番艦
艦名:秋雲 初代秋雲
由来:気象 秋空に浮かぶ雲
諸元:基準排水量:2,033トン 公試排水量:-トン
全長:118.5m 全幅:10.8m
竣工時兵装:50口径三年式12.7センチ砲連装×3 25mm機銃連装×2 61cm魚雷発射管4連装×2 爆雷16個
最終時兵装:50口径三年式12.7センチ砲連装×3 25mm機銃連装×1 25mm機銃三連装×2 61cm魚雷発射管4連装×2 爆雷16個
信号符字
J J X D

概要

秋雲(あきぐも)は、日本海軍の駆逐艦。陽炎型の最終19番艦である。1944年に米潜の雷撃を受け戦没。
本艦は戦後長らく夕雲型駆逐艦とされていたが1994年に陽炎型駆逐艦であるという研究が発表された。
艦橋・艦尾の形状や「なぜ夕雲型のうち秋雲だけが2番主砲の撤去が行われたのか?(夕雲型は2番主砲の撤去は行われていない)」という疑問から、陽炎型であることが判明したものである。
製作者コメント:光人社刊写真日本の軍艦 駆逐艦 などはそれ以前刊行のため、夕雲型とあります。今回製作依頼主様筋の方は実際に乗艦なさってらっしゃった方となり、その方のお話によるとはっきり”急ごしらえで完成した陽炎型である”とのお話がありましたので、この研究発表は間違いないものと考えます。

1939年度(マル4計画)仮称第115号艦として浦賀船渠で1940年(昭和15年)7月2日起工、1941年(昭和16年)4月11日進水、同年9月27日に竣工。横須賀鎮守府籍。 竣工と同時に第5航空戦隊に編入され、「翔鶴」「瑞鶴」の護衛として真珠湾攻撃に参加。その後はビスマルク諸島方面の作戦に参加する。3月セイロン沖海戦に参加。4月10日、第10戦隊第10駆逐隊に編入され6月のミッドウェー海戦に参加する。また直後のアリューシャン攻略作戦にも参加した。 米軍のガダルカナル島上陸によりソロモン諸島方面へ進出、第二次ソロモン海戦に参加、ガ島輸送作戦に3回従事。南太平洋海戦では「巻雲」と共に漂流中の「ホーネット」を雷撃により撃沈した。 1943年(昭和18年)2月のガ島撤退作戦に3回とも参加、その後もウエワク、コロンバンガラ島への輸送作戦等に従事する。6月には北方のキスカ島撤退作戦に参加、横須賀工廠で整備の上、8月には南方でのコロンバンガラ島撤退作戦に参加する。10月6日、第2次ベララベラ海戦に参加、その後はトラック方面で護衛任務に従事する。12月17日に横須賀港へ帰港し艦を整備する。 1944年(昭和19年)3月7日、横須賀を出港、「瑞鶴」を護衛しリンガ泊地へ進出する。4月11日、ダバオに向かう「聖川丸」を護衛していたがミンダナオ島北西のザンボアンカ付近で米潜「レッドフィン」の雷撃を受け戦没。艦長以下多数の戦死者を出す。同年6月10日除籍。

コメント以外Wikiより抜粋

同型艦:

使用部品

製作工程

2011/5/31

  1. 製作開始





    製作案件での製作開始です。今回製作するのは駆逐艦 秋雲 です。この間は長らく、夕雲型か陽炎型かで論議があった艦です。前述の通り、実際に乗艦されていらっしゃった方からのお話で陽炎型での製作です。が、(;´Д`)キットがもう発売されていません。
    そこで公式図面に準拠した構造の(といいますか、アオシマ製のキットは前期型か後期型かの2種しかありません。)舞風を使用しました。(平行製作2番艦は全く同じキットの 浜風 を使用)
    雪風などは後部甲板に爆雷投下軌条があるんですが、秋雲は後部甲板にそれらしき形状は無く、防雷具投下装置が左右にあります。

2011/6/1

  1. 艦橋





    今日は艦橋作業です。写真2枚目が窓枠はすでに抜いてありますが、仮組みとなります。形状的に陽炎型は写真のように艦橋壁面が垂直です。これが改陽炎型(夕雲型)になると前後わずかに壁面に傾斜が出来ます。
    写真1枚目は定番工作ですが、窓枠の抜き作業です。その後、舷窓(舷側ではないのでそう呼ぶのか分かりませんが(;´Д`))の0.4mmピンバイスでの開口>羅針艦橋の防弾版の設置>張出し部分の補強梁の設置>ジャッキステイの設置を行いました。写真3枚目がその状態です。まだまだ手を加えますが、今日はこのあたりで作業終了です。(ノД`)~゜。

2011/6/9

  1. 艦橋




    前回の続きです。すでに安易に触れなくなってますので前回作業点に触れないよう注意しながらサイズ取りを行い、パイプ手摺を使用して羅針艦橋後部の手摺を取りつけます。今回はフライホーク社製のものを使用しました。
    艦橋側部と頂部のアンテナ線支柱(類)を取りつけます。もはや触れません(;´Д`)あぁぁ
    そして多分私にとって鬼門です。手旗信号台。写真3枚目がその加工作業中ですが、エッチングを切り出してフリーの状態で作業を行うと失敗する(自信があるのでw)といけないのでベース部を固定して硬化してから手早く折っていきます。ここで折り戻しなどは金属疲労が発生して崩壊するので避けた方がいいです。
    いやいや、本来ヘッジホッグ化する前に取りつけるつもり(てか取りつけなきゃいけません!w)だったのですが、取りつけた後
    (((((((( ;゚Д゚)))))))) やはりかなり緊張の作業となりました。
    前檣はキットの見張台のみカットして開口し、用意しておきます。登りばしごは前檣中央で斜めに上る写真(同型他艦)を参考にしました。

2011/6/13

  1. 前部ファンネル





    今日から3日掛けて前部ファンネル製作予定です。
    写真左がキットを組み立てた状態のものです。旧世代よりはかなり見栄えのあるキットのファンネルになってます。
    ファンネルは頂部の加工、整流板組込、ファンネルキャップ設置、ジャッキステー表現、捨て蒸気管の金属パイプ表現を行う予定です。
    特に金属パイプのつぶれない加工が細くなる便難易度が高くなりそうです(くねくねしちゃってるし(;´Д`))。 比叡 作成時に使用した方法で行って行きます。
    写真1枚目ですが、右が頂部の加工に入った状態です。まず、丁寧にフラットになるようにヤスってやります。エッジはシャープにならないように丁寧に面取りしてやります。
    写真2枚目が開口風景です。先ほどのならした頂部の太い側に2mm円の中心をセンターポンチ(デザインナイフを回転させて中心取り)、細い側を1.5mm円の中心をセンターポンチとります。
    実はこのファンネルものすごく小さい部品でほとんど空洞がありません。なので丁寧さを欠くと崩壊します(;´Д`)。昨年製作の傑作艦(誰がいってんだw)満潮2番艦がじつは穴崩壊組みです。
    センターポンチを取ったら軸がずれないよう丁寧にドリル(ピンバイス)を挿入していきます。深度がある程度とれたら1.5mmも挿入します。ここで大小の穴が開いたことになりますので、その間を刃を替えたてのデザインナイフかチゼルで丁寧につないでやります。
    写真3枚目が整流板を組み込んだところですが、0.14mm厚のプラペーパーを1.4mm, 1.5mm, 1.6mm, 1.8mm, 1.9mmの5枚にカットして組み付けていきます。ここで本日作業終了です。

2011/6/14

  1. 第一煙突





    引き続き第一煙突の製作です。
    昨日の整流板を取りつけた煙突にキャップをかぶせます。写真は作業の途中の様子ですが、個々まで細かいと繊細すぎて失敗の可能性が高くなるため、事前加工はフードの膨らみを施す程度までにして足の加工調整は後で中央の仕切り板が硬化してから行った方が良いと思います。
    てことで、膨らみをフードに付けたら中央の仕切り板エッチングを折って煙突に取りつけます。(写真1枚目の状態がその状態です)
    硬化後足を調整して形状を整え、接点に慎重に瞬接を当てて固定します。
    第一煙突のジャッキステーは実艦写真では2層見えるので(同型他艦複数確認にて)2本煙突の周りに這わせます。アオシマのキットには位置がモールドされているので参考になります。
    そして!捨て蒸気管です。実は管の先端は曲がって斜めカットはそうなんですけど、双頭の鷲状態(左右に開口している)になってるんですが、さすがにこれは再現するのはスケール的に困難なので斜めカットで再現します。
    パイプを作成したら銅線で輪っかを作成して等間隔に配置して煙突自体へ取りつけます。前からのせり上がりは煙突を事前に船体に仮止めして形状に合わせて取りつけます。このせり上がりの管は船体中央構造物途中からにょきっとでてますので、管の端は通常カットの状態ではなく折って角をとり面取りしておきます。(この作業管の状態の時推奨です。言うの遅かったw)
    一日早くアップしたので、秋雲の艦底に艦番とサイン、依頼者様へのメッセージをルーターで刻印して作業終了にします。

2011/6/21

  1. 中央部機銃座





    前回の前部煙突に続いて中央構造物の中心に位置する機銃座の製作です。機銃座は陽炎級用機銃座エッチングを使用します。ブルワークは丁寧に金属棒などで徐々にアールを付けて甲板の形状に合わせていきます。支柱は1mmのプラ棒を5mmにカットして面をヤスリがけします。
    機銃座エッチングには穴あき三角桁が付属しませんので、穴あき三角桁で補強をしてやります。(写真2枚目) 昨日加賀用に嫌と言うほど作らされた25mm連装機銃ですが、駆逐艦大好きなので相性が良いのか、なぜか今日は100個でも作りたい気分です。'`,、('∀`) '`,、
    写真3枚目が完成した様子です。中央はキットの素組です。キットもバランスが良くしっかり直立してますね。機銃座周りはラッタルなどもありますが、現段階は基礎組みなので修飾は船体に組み付けてから念入りに行います。

    6/22 3枚目の写真が正常に表示されない問題を修正致しました。

2011/6/27

  1. 後部煙突





    今週は後部煙突です。キットを通常組みしてゲート処理、段差処理を行いよく乾燥させます。ファンネルキャップだけで開口作業するとあまりに小いさ過ぎるためリスクが伴う為組んだ状態でキャップ部の加工を行います。
    写真2枚目左がキットの状態で右が頂部をヤスった状態です。ヤスった部分にピンバイスで開口するためのセンターポンチを前後に2箇所付け、そこを足がかりに1.5mmと1.2mmのピンバイスで開口してやります。写真3枚目が開口したもの(左)です。開口したら注意深く前後の穴を連結させます。まだ荒削りの状態ですが写真3枚目右が穴をつなげた状態です。
    開口が済んだら整流板をプラペーパーでこしらえます。3枚幅 1.4mm 1.3mm 1.2mmと作り煙突内部に組込ます。その後ファンネルキャップを取り付けて、ジャッキステーを煙突側面に2本取り付けます。最後に捨て蒸気管を作り、今回はレインボーモデルの捨て蒸気管リングを使用して煙突に取り付けて完成です。

2011/7/1

  1. 後部探照燈台





    今日は後部煙突の背後の探照燈台の作成です。キットの素組の状態で円形に見える部分が110度パターンの鋼板床な為、周囲のブルワークをニッパでカットして、床面全てをヤスリがけして写真1枚目左の状態にします。床面を110度パターンに張り替えて、フライホークのパイプ手摺を円柱に巻き付けアールを付けてさっきの床面に沿わせます。
    探照燈は公式図面によると90cm探照燈ですがX枠のパーツは70cm探照燈を代用してるのとモールドが貧粗なため、ファインモールド製の探照燈セットの90cm探照燈を使用します。遮光板の部分だけ更にエッチングを使用します。方位探信儀は3脚タイプで探照燈台後部に設置します。写真2枚目は角度が悪く詳細が見づらくなっていますが、完成状態とキット状態の比較です。
    写真3枚目が角度を少々低い位置から撮影した状態です。





    兵装は本来来週に掛かる作業でしたが、今日は特別に作業しちゃいました。主砲塔はキット内に2種あって好みを選択する方式でしたが、今回はX枠ではなくキットで新規に作り起こされていた砲塔を使用します。理由はジャッキステーを取り付けるので、モールドのない方を選択したという点です。
    写真2枚目は爆雷装填台の加工中>3枚目が完成状態です。
    最後に来週予定の兵装作業の下準備で砲身カット、カット面のならし、魚雷発射管のパーティングライン処理を事前に行って終了です。

    本日はご依頼主様にとって特別の日となります。この場をお借りいたしましてお祝い申し上げます。

2011/7/4

  1. 兵装





    今週は兵装作業です。写真は主砲塔の製作写真です。ジャッキステーを砲塔の周りに這わせる作業中です。ジャッキステーは接着前にきっちり形状をあわせて、瞬接を足に点付けしてただ乗せる感じに接着します。
    この細さ(市販のジャッキステーより遙かに細いです。(;´Д`))だと、余分なテンションを加えると、いとも簡単に崩壊します。実際のサイズですが0.1mm以下です。
    第一砲塔のみ忘れずにアンテナ支柱を取り付けておきます。
    写真2枚目が主砲塔に窓蓋、金属砲身、ジャッキステー8本周囲に這わした状態の完成サンプルです。今週はこれに準じて主砲塔3基(6基)と明日サンプル上げする魚雷発射管を2基(4基)製作していきます。
    秋雲、真珠湾攻撃時は今月で完成予定にしていますが、来週より2週間作業で船体の加工を行います。これでアオシマのキットの原型は形を残してほぼ無くなります。
    その後、最終週で、艤装、兵装組み付け仕上げ作業>張り線で完成予定となります。

2011/7/5

  1. 兵装





    今日は魚雷発射管です。ジャッキステーを各所に這わして側面にシールド内に入るドアを取り付け、0.5mmプラペーパーを正方形に切り前面、側面に2箇所づつ計6箇所取り付けます。
    前面にはスライド窓をエッチングで取り付けます。これに準じて魚雷発射管は2基(4基)製作します。多分、主砲塔と合わせると今週いっぱい掛かる予定です。

2011/7/11

  1. 船体





    いよいよ船体です。今週で船体の前部セルター甲板部分を完成させる予定です。これからの3週間は当初2週で船体、1週で仕上げと考えていましたが、各週で前部中部後部をそれぞれユニット毎に仕上げていくことにしました。最終的な仕上げは最終週になりますが、後部は比較的艤装兵装が中央部に比べ少なめなので丁度良いかなっておもってます。
    写真1枚目が船体のパーツを準備したところです。写真2枚目が固定用ボルトの仕込み準備中の写真です。上部が1番艦手前が2番艦です。写真のように艦名、艦番、サイン、メッセージを刻印してあります。ネジは定番のHEXネジです。いつもこれで甲板との干渉マチをミリ単位でホール横にマジックで記載しています。(写真はまだ記載してませんが(;´Д`))
    写真3枚目が艦艇を貼り付けしてる作業写真>4枚目がクランプで固定した状態です。





    船体に船底が張り終わったら艦首甲板も接着します。このあと、セルター部分の上部モールドを砲塔基部を残してすべて削り落とします。
    写真6枚目が削り落とした状態です。削り落としたら砲塔にヤスリが干渉しないよう注意を払って甲板部分を丁寧に平滑にヤスって行きます。
    船体側面は鋼板継ぎ目の表現のためマスキングをしてプラサフを吹きます。
    最後の写真がサフ後、真鍮甲板をセルター部分に張った状態です。継ぎ目が出ますので、粗くパテもりしておきます。艦首は甲板が若干長いので下部からパテ形成をします。
    完全に乾燥させるため本日はここで作業終了です。

2011/7/12

  1. 船体





    乾燥が完了した船体の船首にフェアリーダーを取り付けてやります。写真1枚目がフェアリーダーですが、舷側用途違ってアールを付けてやります。
    写真2枚目はアンカーです。
    昨日そぎ取ったボラードとキャプスタンを設置するのですが、プラ素材を用いようかと思ったのですが、真鍮線をカッターで転がしてゆっくり切ってやるとバリが出来てボラードっぽくなるので真鍮線で作りました。ただし、0.6mm程度なのであまりの小ささに失神しかけてしまいました(;´Д`)。
    キャプスタンは丁度よさげな太さのものがありましたのでアドラーズネストのボラードを使用してみました。本来キャプスタンは巻き取り式なので、キノコの方が理想なのでしょうけど、メリハリのため、チェーンは超極細線を使用のため、わずかではありますが、オーバースケールのためキノコもオーバースケールで戦艦級のものをあててみたら( ゚,_・・゚)ブブブッ
    ボラードの方がすわりが良かったです。ちなみにエッチングのチェーンを用いて小さめのキノコと組ましたら良い感じの大きさなのですが、チェーンがピョン吉なのです!





    そのチェーンを取り付け中の図です。チェーンの巻き方は様々あるようですが、今回は左舷分が後方キャプスタンへ行って左舷側の引き込みへ右舷側が前部キャプスタンへ行き、となりの右舷引き込みへ行った状態にしました。
    両舷手摺を配置して今日の作業は終了です。明日は絡車、通風塔、舷外電路、舷窓予定です。ちなみに砲塔は固定してません。写真写りの為だけに乗せました(;´Д`)

2011/7/13

  1. 船体前部





    本日は船体前部セルター甲板部艦橋までの作業です。先日削ぎ落とした通風塔を再現します。陽炎型の背の高い中央の蛇腹型の通風筒は製品がないので0.7x0.7mのアドラーズネストの通風筒を捨てボスカット部分の芯を長めに甲板部に露出させて再現します。写真2枚目は第1砲塔後の背の高い通風塔のとなりの通風筒です。あと、使用する絡車も準備します。
    絡車の中に仕込むリール部分はウィンチ用とホース(ロープ)用の2種製作します。芯材は0.5mm真鍮線です。





    リールは巻き終わったら瞬接流し込みにて硬化させてよく切れるニッパで内寸よりやや短めにカットします。長めだとリール側面が逆ハの字になってみっともなくなってしまう為です。短めだとセリー状瞬接が緩衝材代わりになり側面も垂直で位置決めもしやすくなってGood!です。写真は2艦分のリールを完成させた状態です。1個小さいのがないのはナイショ!
    ていいますか、実はなくしました(;´Д`)(ピンセットで挟んでたらカチッとか音を立ててどっか飛んでいきました)明日予備の絡車エッチングから製作します。
    完成した絡車は取り付けずに、リノリウムを塗装した後に配置します。今日はこのあたりで作業終了です。

2011/7/14

  1. 船体





    昨日紛失した2号艦の絡車Sを準備した後、前部側面に移るのと同時に船体の舷外電路を敷設します。アオシマのキットはこういう加工を考慮してか、舷外電路はおろか舷窓すらモールドがされていませんので、この作業は必須項目となります。今回は開戦時、真珠湾攻撃時の再現ですので、舷外電路を設置していきます。舷窓は後に戦訓で盲蓋にて閉鎖するまで開口した通常の状態でした。今回は開戦時ですので盲蓋、そして、両舷手摺部分の防弾板、単装機銃、艦橋前機銃座、同連装機銃は設置しない状態での再現となります。舷窓は位置を計ってガイドテープを貼りセンターポンチをデザインナイフで取り、0.4mmピンバイスで開口していきます。 と思った矢先・・・
    写真の舷外電路ですが、今日一日様々な資料を調べた結果、敷設ルートが一部違うので、改めて、一度全部剥がした上で再度引き直します。あと、ジャッキステーにつり下げた防弾板艦橋ですが、天一他どっぷり大戦下の状態であり、真珠湾時は、空母のように重装備ではないことが判明したため、艦橋も作り直して行きます。艦橋中央部のジャッキステー形状はおひげのようなハの字を書いているようです。今日は夜を徹してこの作業にあたります。
    写真2枚目がライン図です。これに沿ってまず舷外電路を敷設します。その後、リノリウム部と艦艇部にエア吹きをします。艦艇は1mm幅のマスキングを這わせていきますが、無い場合縁を艦艇塗り分け部分に合わせて余分目を艦艇側に折り込みます。
    写真3枚目は艦橋部解体工事の様子です。左下にジャッキステーをハの字に加工したものを用意してあります。




    ジャッキステーを交換して、窓枠を設置、隙間はパテで補修、窓枠の下に防弾鋼板を設置してたその基礎にあた るジャッキステーを周囲に這わします。陽炎型のどの感化は不明ですが、艦橋横にマントレットを設置した写真があったので、配置しました。(まだ接着だけで柔軟化とくびれは再現していません)くびれは乾燥後再度柔軟化させてから行いますので今日はここまで、明日前部の完成です。来週は中部へ移行しますので、その下準備にも掛かります。

2011/7/15

  1. 船体





    真珠湾攻撃時は初期型(対空兵装改装前)の為、前部セルター甲板上のダビットはありますので製作します。ここで使用されていたダビッドはラジアル型なのでそれをエッチングで製作します。中央甲板上のダビッドはクォーントラント型となりますので、ラジアル型はそちらでは使用しません。
    一通り用意が出来たら今までの分を塗装してしまいます。本体、通しで完成させてから塗装するのですが、今回は新しい試みでブロック毎の作業で行きます。作業方法はそれぞれに長所があるのですが、私はよく長期格闘の際、小部品の上によく物を落下させてしまうので、つまり、精神衛生上からってのが本音かもです。
    セルター甲板部分にマスキングを張っていきます。
    マスキング補張り終えたら軍艦色を吹きます。吹き終わったら各所艤装品を配置していきます。真珠湾使 仕様は艦橋横にラジアルダビットがきますが、まだパテ乾燥が終わってないため未塗装で、お目見えしていません。言い忘れていましたが、甲板にリノリウムを吹いて乾燥したらリノリウム押さえ部分を刃先で削いで、金地を露出させておきます。

2011/7/19

  1. 船体





    今週は甲板後部を先に敷いてから、中部の作業へと入ります。写真撮影はまだ終わってないので写真は明日アップとなります。
    後部甲板も一旦モールドは全て削り落とします。エッチング甲板は、リノリウム以降の部分を全てそれと換装します。
    取り払った部分は最後の後部作業の際にスクラッチビルドで作り起こしていきます。
    本日は、甲板と、艦橋から続く前檣部分で作業は終了となります。明日は第一煙突から第二煙突、探照燈台までの中央構造物の艤装工作作業を行います。

2011/7/23

  1. 今週の仕上げ





    今週は何かと本業雑用が多く更新がままなりませんでした。今日まとめを順次行って行きます。
    すいません(;´Д`)昔の営業時代のポジティブシンキングの影響で "~したいと思います"。というやわらかい表現を "~します"。というはっきりした表現をする癖があるため、きついというか鼻につくと感じられる方、頭の中で置き換えて下さいませ。(o_ _)o "~しますっ" て行って、実際作業中に気絶してること多々ありますがね。○(#゚Д゚)=(  #)≡○)Д`)・∴'.
    写真1枚目ですが第1煙突前部下の缶室空気取入れ口を汎用の左右一部アールのかかったメッシュを丁度良い大きさにカットして取入れ口に取り付けます。
    第1煙突と前檣を取り付けます。前檣の柱は事前に仮組して、長さを調整しておきます。キット足元の前檣用のホールはパテ補修します。
    写真3枚目は前部魚雷収納筺です。左右それぞれ作り、キットの物をリプレースします。不要な凸は邪魔になりますので、取り付け前に削いでおきましょう。




    モールド加工が終了したら、製作した格納筺を設置します。
    第2煙突のベースを取り付けたら煙突を取り付け、機銃座を配置します。
    後部リノリウム甲板にレッドブラウンを吹きます。乾燥待ちの間に烹炊室排煙煙突を真鍮線で作り起こします。

2011/7/26

  1. 船体中央部





    先週準備しておいた烹炊室排煙煙突を接着します。0.3mm真鍮線をベースに(ここで真鍮パイプ使用は不可です曲げ加工ができません)煙突先のみ太めの0.4mmパイプでH煙突を製作してやります。
    この煙突、子供の頃(私は余裕の昭和生まれです!(;´Д`))、まだ、練馬周辺の街の至る所にあったんですが、いまは見なくなりましたね。
    写真2枚目は魚雷筺取付の準備です。接触する部分はきっちり削いでやります。ここまでの小物エッチングも忘れずに取り付けておきます。
    写真3枚目が取り付け完了状態に、スキッドビームを取り付けた状態です。魚雷筺の後部がかなり形状が違うため、明日パテで形成してやります。
    今日最後に手摺を這わせて作業終了です。これから2工でかわいい艦載機を量産してきます。

2011/7/27

  1. 船体中央~後部




    昨日のパテ埋め予定作業を行います。パテは半固体状(半液状)は形状が整えにくいので(私はですが(;´Д`)エポキシパテを使用します。ちょっともったいないですが、ちまちま混ぜてもうまくいかないことがあるのでここは少々多めに作っちゃいます。
    充分練ったら昨日の穴埋め予定場所へパテを持って行きテフロンのピンセットなどくっつきにくい物で丁寧に丁寧に形状を近づけてやります。
    ある程度近づいたら、硬化を待ちます。今回は完全硬化を待つため明日までこのままにします。今日は後部の資料を徹底的に漁りまくります。

2011/7/28

  1. 船体後部




    昨日のパテが乾燥したら、一旦荒削りをしてから細かな隙間に溶きパテを塗っていきます。
    合間を縫って測距儀を取り付けますが、ピットロード製の他艦(駆逐艦)の使用しなかった部品のストックがあったので、そちらを流用します。
    写真3枚目はマスキング作業開始の写真です。これを以て全面軍艦色が入るのでその他の取り付けておける部分のエッチングは取り付けておきます。
    砲塔、絡車、リノリウム甲板上の取付によりマスキングが困難な物は別途塗装しますのでここでは取り付けません。

2011/7/29

  1. 船体後部




    キノコ通風筒は後部も背が高いタイプなので、捨てボスカットを長めに切り、宙に浮かせた状態に取り付けます。
    ボラードは定番のころころで長さ1mm弱のものを8個作成します。これ、慣れない時倍以上作っちゃったこともあります。この作業でデザインナイフの刃はぼろぼろになることが多いので躊躇無く交換します。
    手摺と舷外電路を周回させ、マスキングが完了したら、細かなディテールアップパーツを配置していきます。




    写真5枚目は、後部副錨、プロペラガード、フェアリーダーを取り付けるところです。
    小物の塗装準備を行いこの後塗装です。その前にかわいいカッター2槽と1工にて建造中の秋雲の2ショット(3かw)
    うっすらと雪化粧した感じの秋雲、いよいよ明日完成です。

2011/7/30~31

  1. 完成に向けた作業




    軍艦色を吹き終わったらマスキングを剥がして行きます。
    各所に事前に準備しておいた部品類を組み付けていきます。
    過去の駆逐艦んでも同様ですが、駆逐艦好きで、あれもこれもと手を加えたくなるので、、
    手を加えます(`・ω・´)定番工作の丸太積載 6mm伸ばしランナーを束ねてテグスで括り、
    スキッドビームに乗せます。




    塗装はフラットブラウンと丸太の切断面はタンで塗装。写真6枚目がスキッドビーム上に設置した状態です。
    各所小物類装備品を取り付け、ウォッシング、錆び再現、墨入れを行い、(写真8枚目の状態)乾燥後、拭き取りで垂直汚れを再現し、ロープ類(信号旗ロープ除く)を取り付けてクリアマットでコーティング、その後、信号旗ロープ設置、張り線設置で完成です。写真製作記はここまでとなります。仕上がりは完成写真をどうぞ

完成写真

この写真は製作依頼者様の許へ発送する段階の状態とは異なります。
塗装や兵装、張り線、碍子が異なります。実際の発送前の写真は WATERLINE VIEW となります。

HULL SCAPE

ZOOM UP

WATERLINE VIEW

 





撮影環境
ミニクリプトン球(電球色)4燈直射による自作撮影ブース
撮影に使用したカメラなどの機材
Nikon D90, Nikon AF-S NIKKOR 18-55mm, Kenko CLOSE-UP Lens f330 52mm, SLIK三脚
撮影時のカメラの設定値
F-18, NOFLASH, ISO AUTO0, 露出補正+2"

製品所在

2隻同時製作
艦番1:タヌポン艦隊別働隊として東京都在住の元秋雲乗組員でいらっしゃるタヌポンのお祖父様所有。
艦番2:中途より後期型へ製作変更にてドック内にて待機中  作者永久保存艦

あとがき

アオシマから廃盤になったこのキットですが、公式図面を参考になんとか完成まで漕ぎ着けられました。製作ペースは週1~3日程度のスロー製作でじっくり製作することができました。この艦は、あるコレクター様が実際にこの艦に乗艦なさっていらっしゃった祖父への12月8日のプレゼントとして製作依頼を私に下さったものです。その方(祖父)は御年93歳、まだまだお元気でいらっしゃるそうです。この場に書ききれないほどの様々なエピソードを頂戴することができて、非常に幸せです。そしてそのお孫さんへまだまだ尽きない詳細な海軍話をお話になってあげて下さい。(あとで全部吸収しちゃいますからw)いよいよ、この艦とセットでプレゼントされる長門製作です。

編集 岵囃子裕二(タヌポンの工廠長)@軍艦堂 トップへ