
概観諸元
分類:艦上爆撃機 クラス:爆撃機
機体略号:SB2C-4
運用開始:1943(昭和18)年
名称:SB2C
型式:SB2C-4
製造:カーチス社, (フェアチャイルド社, カナディアンかーアンドファウンドリー社ライセンス生産あり)
全長:11.18m 全幅:15.16m 全高:4.01m 自重:4,784kg
兵装:
機首 |
- |
翼内 | 20mm機銃×2(-発) |
後方旋回 | 後方旋回7.62mm×2(-発) |
側方旋回 | - |
胴体 | 最大2,000lbまたは魚雷×1 |
翼下 | 最大500lbまたは5インチロケット弾×8 |
乗員:2名
エンジン:ライト R-2600-20 サイクロン 1,900hp
最高速度:475km/h
航続距離:1,875km
上昇限度:8,870m
呼称:Helldiver (名:カイツブリ、形:急降下爆撃機)
概要
SB2Cはカーチス社が開発生産したアメリカ海軍の主力爆撃機、愛称はヘルダイバー(Helldiver:カイツブリの意。もしくは、急降下爆撃機の形容詞)。
主に第二次世界大戦中に運用された。
開発・運用
試作型 XSB2C
ダグラスSBDドーントレス急降下爆撃機の後継機として開発された。
原型機の初飛行は1940年12月のことである。
ドーントレスより速度・爆弾搭載量が強化され、機銃も12.7mmから20mmに強化された。
SBDと違い、爆弾は胴体下部の爆弾倉内に収納する。
開発においては、要求性能的に大型になる事が避けられない機体を、航空母艦のエレベーターに収めるために無理やりに機体後半部を切り詰めた設計にしたことと、性能より生産性を重視した仕様の為、操縦性・離着艦性能などの安定性はあまり良くはなく、トラブルの多い機体だった。
当時の操縦士達からは型番をもじって「サノバビッチ・セカンドクラス(Son of a Bitch 2nd Class:二流のロクデナシ)」と暗に呼ばれ、忌み嫌われていた。
生産機数は実に7000機以上にも及び、SBDに替わってアメリカ海軍の戦争後期の主力艦上爆撃機となっている。
1943年11月から実戦に投入され、主に太平洋各地・日本本土空襲で活躍した。
大きな活躍と言えば坊の岬沖海戦での戦艦大和攻撃が挙げられる。
アメリカ陸軍航空軍でもA-25として採用されたが、多くの機体が再び海兵隊のSB2Cとして配備された。
米陸軍機としては標的の曳航などの支援任務に従事し、実戦には参加しなかった。
また、イギリス海軍の艦隊航空隊では少数の機体がカーチス・ヘルダイバー Mk.I(Curtiss Helldiver Mk.I)として使用された。
戦後、フランス海軍航空隊に供給された機体はインドシナ戦争に参加した。また、ギリシャ、タイ、イタリアにも供与され、1950年代半ばまで使用された。
Wikiより GFDL上の著作権表示
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補足情報
SO3Cと共に、カーチス社没落の原因
- XSB2C-1 原型機。R-2600-8エンジン(1,700hp)搭載。社内呼称Model 84。
- SB2C-1 初期生産型。主翼内に12.7mm機銃×4。
- A-25A 米陸軍向け機体の呼称。大半は海軍向けに改修して海軍及び海兵隊へ納入された。
- SB2C-1C 主翼内搭載機銃を20mm機関砲×2に変更した機体。
- SBF-1 フェアチャイルド社で製造された機体。
- SBW-1 カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産された機体。
- SBW-1B:カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産された機体。英国供与型SBW-1。
- Helldiver Mk.I:SBW-1Bの英国海軍呼称。実戦には参加しなかった。
- XSB2C-2 試作長距離水上機の原型。SB2C-1に双フロートを装備した。
- SB2C-3 R-2600-20エンジン(1,900hp)搭載。細部に変更点有り。
- SBF-3 フェアチャイルド社で製造された機体。
- SBW-3 カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産された機体。
- SB2C-4 主要生産型。主翼下にロケット弾または爆弾搭載用の搭載架を装備
- SB2C-4E SB2C-4に夜戦用レーダーを装備した機体の呼称
- SBF-4E フェアチャイルド社で製造された機体。
- SBW-4E:カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産された機体。
- SB2C-5 最終生産型。燃料搭載量を増加
- SBW-5 カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産された機体。
- XSB2C-6:R-2600-22エンジン(2,100hp)搭載。胴体延長モデル。生産されず
考証
考証はありません。
使用部品
- Confidential
1945
VB-87, CV-14 タイコンテロガ艦載機
- 製作工程
今回製作するのは SB2Cの4型 いわゆるSB2C-4 (まんまか(笑)) です。1945年タイコンテロガ艦載機を想定しています。
ちなみに1/72で間違いありません。今は1/48収集家は1/72へシフトしつつある理由がこういう製品の出現なのでしょうか。
私は1970年代から1/72 でした。その最大の理由は AFVと同スケールで共存できるからです。
私は現在はAFVは製作していませんが、当時はこのスケールの統一性が非常にありがたかったです。当時、我が家の玄関が 1/72 ワールドと化してました。(笑)
戦車、車両、フィギュア、木、建物、そして航空機 その空間はまさに別世界でした。1/72 最高ですね。(笑)
コクピットから製作開始です。旋回機銃はサワルと破損しそうなほど、繊細です。
床面以下は、ジンククロメイトタイプI を吹いていなかった想定で、クロメイトイエロープライマー のみ塗装です。
ぶっちゃけて、その方がリアルですかね。実際はどちらもあったようですが。
爆装は、ここに来ていまさら、オリーブドラブが無いことに気づき急遽発注です。それまで、釣荷アームのみで爆装無しです。
機体右舷側へコクピットを設置します。この段階で、念入りに左舷との摺り合わせを行っておきます。
コクピット内部の塗装です。吹き流れてクロメイトイエロープライマーを汚染しないよう、マスクなどを施し、ジンククロメイトタイプI を吹いてやります。
同時に、コクピット関連の装備品類も塗装しておきます。
シートはシートベルトを再現します。ベルトは、塗装>エナメルシルバー>エナメル拭き取り で金具の細部まで再現します。
計器類はマットブラックで塗装後、シルバーでドライブラシで再現します。
両舷接合です。定着するまでゴムで固定します。クランプで行ったのですが、こう開放部分が多いと、テンションによる歪みが発生するので、ゴムがベストです。
機体を回るように接合していくと、機体上部の操縦席側が極わずかに隙間が出来るため、ポリパテを盛って修正しておきます。
完全硬化の合間を縫って、エンジン製作です。実際の展示エンジンはライトグレーの軸部分、空冷フィン部分がグロッシーブラック、配管類は銅色剥き出しでしたが、黒の部分はメタリックグレーに黒墨入れ、シルバーのドライブラシで仕上げています。配管部分は銀管と銅管の2種で再現、フレームはマットブラックにしてあります。
そうこうしている間に、ポリパテが硬化したので、処理しておきます。
機体の塗装準備です。コクピット周りは後程処置を行いますので、あらく囲って機体のみ、ミッドナイトブルーで塗装します。(これはグロスシーブルーとも言われます。)見た目、黒なんですけどね。(笑)
塗装が完了したら、同様に垂直尾翼のラダー(これは旋回ではなく水平態勢維持での機首振り用)と水平尾翼のエレベーター(これは浮力を主に得るものでは無く同様に機首を上下させるためのもの)を取付けます。今回はどちらもニュートラル位置としました。
残りのパーツに金属下地としてのシルバーを吹きます。機体も写真はありませんが、同様にシルバーを吹いてあります。
翼断面もクロメイトイエロープライマーを吹きます。
エンジンを取付けます。カウルは固定してありません。少々ぐすいので、カウル内にプラペーパーでもかませます。
主翼に移ります。主翼は折りたたみ状態再現です。(ギミックは活用したいっ(笑))
引き込み脚の格納庫内部も塗装します。戦後の陳列機でも無い限り、戦時中、塗膜剥離の無い機体は前線ならないと思う主義なので(実際そうです)、ここもはげチョロを行って行きます。
プロペラは尖端 4インチ=10.16cm/72=1.41mm がオレンジイエローです。黒字だとくすむので、ここで先に吹いておきます。
スピナーカバーはトップシルバー部分を、磨くとアルミになる塗料を使用しています。(まだ磨いていません)ミッドナイトブルーを塗装する部分は通常のシルバー下地です。
磨き塗装が完成する間、主翼部分を機体に接合します。
プロペラが完成したら、主翼です。伸長状態だと、エアブレーキ跳ね上げが再現出来るんですが、今回の格納状態だと絶対あたるので、メンテ中再現を想定して、翼端側は閉止状態で跳ね上げとします。
中のフラップの外に穴あきのブレーキ板を取付けます。
ここの部分の赤はレッド(赤)では無く、RLM23レッドを使用しています。
主翼機体側のフラップ、ブレーキは模型的に跳ね上げ跳ね下ろしにしてあります。(上側ブレーキはまだ未装着)多分、これで干渉しないと思います。
下側の跳ね下ろしは、確実に、このままでは破損するので、主脚を製作します。中途の軸部分をシルバーに塗り、マスクして、クロメイトイエロープライマーを吹きます。同様に、主脚カバーも塗装します。
今日、オリーブドラブが届いたので、ここで爆弾も装着。先端の信管は黄色にします。
主脚が硬化したので、ここで、エアブレーキ下側を装着します。
跳ね上げ式の主翼の再現ですが、ドラゴンのプラスチックは、切削性はいいのですが、材質特性が柔らかいため、この2日間テストした結果、輸送に明らかに耐えられない結論に達しました。
自作で赤棒(主翼支柱))作成も考えましたが、それでも、跳ね上げ部分重量がかなりあり、赤棒が支えても、基部の小さな2つの(太さ1mm前後x2点)部品では輸送には耐えられないでしょう。
ということで、開翼状態としました。
主翼底面のアンテナ2種4基、ロケット弾架台8基分を設置します。
上面へ移り、アンテナ、デカール類貼付、ピート管取付けを行います。
細かい部品の塗装などをすませて、最後に(やっぱり(笑))キャノピーです。
完成したら、ここまでの安全地帯でデカールを貼付していなかった胴部分へデカールを貼付します。
張り線を行って完成となります。
完成写真
LAND SCAPE
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- 撮影環境
- ミニクリプトン球(電球色)6燈直射による自作撮影ブース
- 撮影に使用したカメラなどの機材
- Nikon D90, Nikon AF-S NIKKOR 24-85mm, Nikon AF-S NIKKOR 18-55mm, Kenko CLOSE-UP Lens f330 52mm, SLIK三脚
- 撮影時のカメラの設定値
- F-18, NOFLASH, ISO100-1400, 露出補正+1.7
製品所在
売却額 25,000円にてコレクター様に売却
あとがき
翼の重みで、輸送中に破損必至の繊細さ。久しぶりに航空機で持ち位置指定を行った機体です。
今回は計画通り、無事、コレクション機に加わりました。