概観諸元
分類:航空母艦 クラス:正規空母
艦番:-
起工:1929(昭和4)年起工 竣工:1933(昭和8)年竣工
型式:単独型 艦番:1番艦
艦名:龍驤 2代龍驤 初代:1869年竣工のコルベット艦。当初熊本藩の所有であったが明治政府に献上。
由来:成語 龍が空に昇るように威勢が良いこと。
諸元:基準排水量:-,---トン 公試排水量:12,732トン 常備排水量:-,---トン
全長:180.0m 全幅:20.3m
竣工時兵装:八九式12.7センチ連装高角砲×6
13mm機銃四連装×6
最終時兵装:八九式12.7センチ連装高角砲×4
25mm機銃連装×2 13mm機銃四連装×6
搭載機:1941年時 九六式艦上戦闘機18機 九七式艦上攻撃機12機 他補用機
信号符字
概要
龍驤(りゅうじょう)は、日本海軍の航空母艦。竣工後間もなく、友鶴事件を受けて、復元力の増強を目的とした改装が行われ、バルジの大型化と高角砲2基の減少などが行われた。
1935年(昭和10年)には第四艦隊事件に遭遇、艦橋を初めとして大きな被害を受けた。このため、第二次改装を行い、艦首乾舷の引き上げなどが行われた。
就役時の搭載機は九〇式艦上戦闘機12機、一三式艦上攻撃機6機、九〇式艦上偵察機6機であった。後に偵察機の代わりに九四式艦上爆撃機6機を搭載した。初陣は昭和12年8月の日華事変である。昭和13年以後、発着訓練に従事。太平洋戦争開戦時には、南方攻略作戦を支援していた。この時は生産が間に合わなかったために零式艦上戦闘機の代わりに九六式艦上戦闘機が搭載されていた。開戦時の戦力は九六式艦上戦闘機18機、九七式艦上攻撃機12機である。零戦が配備されると龍驤は、零戦16機、九七式艦上攻撃機21機を搭載して1942年(昭和17年)6月のミッドウェー攻略作戦(MI作戦)を支援するアリューシャン攻略作戦(AL作戦)に参加。空母 隼鷹 と共に第四航空戦隊を編成してダッチハーバーを空襲する。同年8月7日にアメリカ軍によるガダルカナル上陸作戦が行われると、龍驤は新たに編成された機動部隊第3艦隊の第1航空戦隊に加わり第二次ソロモン海戦に挑んだ。8月24日、第3艦隊は陸軍部隊上陸支援の為に龍驤と重巡洋艦 利根 駆逐艦2隻を艦隊より分割させてガダルカナル攻撃に南下させた。龍驤は零戦15機・攻撃機5機からなる攻撃隊を発艦させた。攻撃隊はガダルカナル島の飛行場への爆撃を成功させたが、龍驤は米軍に発見されて空母 サラトガ からSBDドーントレス艦上爆撃機30機、TBFアベンジャー艦上攻撃機8機が向かった。最初にB-17爆撃機の空襲を受けたが命中弾は無かった。だがサラトガからの攻撃隊の空襲により、左舷中部に魚雷1本が命中した他に爆弾4発が命中。火災が発生し、浸水で艦は傾いた。攻撃隊は母艦が着艦不能である為に不時着するかブカ島の基地に降りた。そして攻撃を受けてから約4時間後に龍驤はガダルカナル島北方の海域で沈んだ。
Wikiより抜粋
- この艦に同型艦はありません。
考証
確定:キット付属は零式二一型ですが、第二次改装後は、開戦後も含めてしばらくは九六艦戦と九七艦攻が艦載機であったため、再現時の1937年はこれに準じました。
使用部品
- フジミ製キット 特-34 龍驤 第二次改装後
- 各社エッチングパーツ
- 金属素材(チェーン、真鍮線など)
- 自作レジン素材
- 各社ディテールアッププラパーツ
製作工程
製作開始~船体
- 製作開始
製作開始です。龍驤は実は過去にも旧キットで2度製作した経験がありますが、今回使用する、第二次改装後は初めてなので、勝手は大分違うと思いますので、楽しみです。
ランナーはAからFパーツでFのみ2枚の7ランナー。前回のキットは3ランナーだったので、(組み立て説明図も大違いの細かさ)その部品数の違いは、解っていただけるかと思います。
ちなみに、この龍驤、今回は1937年当時(改装翌年)の再現です。が、知識的に、開戦時は連合艦隊で、春日丸と第四航空戦隊を形成していました。
春日丸?ってお思いでしょうが、あの大鷹です。なぜ、春日丸だったの?って、又語り出したら長くなるのでw作業へ
前回から、日にちごとを改め、組み立て説明図のチャプターごとの製作記に改めたのですが、この龍驤、曲者、前作の北上は4工程だったのですが(それも少なすぎかw)、今回の龍驤は27工程で完成です。どんだけw
なので今回は特別に好き勝手やってみます。船体から取りかかりますが、これも定番で、3mm開口したところへナットを仕込ませます。いつもの如く5種の接着材やら樹脂やらで、衝撃でも、粘りの回しでもナットが取れないようにしてやります。
最近、比叡のメンテを行ったのですが(夏頃)、移動の衝撃で、中板の湾曲がナットを破壊せずに、(そこまでとれません)底板が浮いて外れ掛かったという事件がありました。そんな荷物の扱いでも取れないように船体と底板を黒瞬で補強してやります。
ご存じの方も多いとは思いますが、複数の知人(大手系2社)運送会社(すべてではありません)は本当で荷物を蹴ったり、投げたりしてるそうです。移動は本当に、そういうケース(投げられる)も考慮してやらないとダメっぽいですね。
余談ですが、中板は大きくなると、弓のようにしなるので、前回から、収納ケース底板と、中板の間にエアクッションをかますことにしています。
ホースパイプですが、円形では無いように見えるので、(前後の楕円)真円に作ったわっかに多少テンションをかけて楕円にします。アンカーは軽巡クラス用を使用しました。
艦種甲板はモールドをすべて削ぎ落として、部品交換します。ボラードは軽巡用、チェーン、キャプスタンも交換です。110°パターン甲板は、鋼板の継ぎ目をケガいて再現するので交換しないようにします。
後部甲板は、不要な開口部分を塞いでやります。艦尾4箇所と、艦載艇用の固定穴6箇所です。
艦尾は水密ドア、メッシュ部分、ボラード、通風筒、チェーン、アンカー、手摺、甲板上艤装品類を金属部品や、エッチングで再現してやります。
船体の側面、前面を摺り合わせを見ながら、取付を行います。その際、接着材乾燥後、パテで隙間、継ぎ目を修正してやります。
艦種は、フェアリーダーと菊花紋章の取付を行います。ただ、艦首が少し、低いので、(正式名称御紋章取付板)両舷のフェアリーダー間に、後日、プラペーパーで細工して、御紋章を上に持ち上げてやります。
ムアリングパイプは、もう少し、硬化を待って開口します。
硬化したので、フェアリーダーを外し、菊花紋章を丁寧に削ぎとり、プラペーパーで御紋章取付板を設置して、密着させて左右にフェアリーダーを設置して、菊花紋章を取り付けます。
菊花紋章は事前に両面テープに乗せて t=0.2までうすうすにヤスっておきます。
飛行甲板を載せて、あたりを見ておきます。
各種スポンソン
- 左舷高角砲座
左舷高角砲座は、防弾板間の渡し部分をエッチング交換し、甲板面に設置された箱状のものをすべてエッチングに置き換え、高角砲をレジン製のもの、砲身を真鍮砲身に交換します。
スポンソン下部の(スポンソンとは:船舶の両舷に張り出した部分の総称です。)定番三角桁はその下部とのあたりを見て、干渉しない事を確認して交換します。
続きの層の後部クレーン部分も作成します。クレーンはモールドもない四角のプラ棒なので、交換必須。ゴールドメダル製のアンテナを詰めて再現してみました。フックもゴールドメダル製の余った空母用のものを使用しました。
- 右舷高角砲座
右舷用も同様の加工を施します。こちらは高角砲を設置する前に写真を撮影してみました。
- 左舷後部作業スポンソン
左舷の後部上層にある作業スポンソンです。モールドは0.5mm厚の2mmx3mmの四角しかないので、あんまりかとおもい、作業状態を再現してみました。
床面はファインモールドの110°ピッチパターン甲板を使用しました。真鍮製の方がやわらかく作業がしやすいですが、フラット感はこちらの方がいい感じです。
左舷各種艤装品(着艦指示燈、アンテナなど)、兵装を取り付けた状態です。
ここまでの作業状態を撮影してみました。
左舷は艦載艇を載せてから行う作業、艦載艇、艦載艇積載クレーン設置を除き、完了です。並行作業の右舷仕上げへ写ります。
- 右舷各種スポンソン
右舷の各種スポンソンを製作します。写真は、昨日同様、ファインモールド製の110°パターンと各社汎用手摺でカッター格納用スポンソンを製作した状態です。
右舷はその他、渡り通路、スポンソンではありませんが、煙突などがあります。煙突は竣工時は手摺のみでしたが、改装後は、中央に梯子状、ジャッキステイが数層と言った形状に見受けられますので、それに従って再現します。
甲板
- 飛行甲板
飛行甲板は、既述の通り、総エッチング交換となります。この段階では、まだ、甲板後部を湾曲させていません。飛行甲板上の待避スポンソン10箇所はこの段階ですべて取り付けて、船体との摺り合わせを見ます。
摺り合わせが良好なら(私の場合右舷全部マストが干渉気味だったので一旦マスト撤去して、甲板設置後再度取り付けます。)裏桁を製作します。組み付け作業なので、並行して、遮風板部分のユニット(打ち上げた状態の底板桁再現まで)製作も行います。
両舷追加修正を除いた基本工作は終了したので、甲板を固定して、甲板上の艤装品類を全て取り付けて、甲板塗装準備に入ります。
甲板塗装は、プライマー、サーフェイサー後にマスクしながらの4層塗り分けで木質感を出します。
ベースは全てタンです。退色気味、ウッディー、黄なり、タンの4層を使用します。
4層塗り分け完了したら、 木甲板部分をマスクして、鋼板部分の塗装を行います。この段階で、スポンソンのディテールアップがあれば全て行ってしまいます。今回の場合、各種火器制御から伸びる管類などの設置を行っています。
着艦標識、飛行甲板白線のマスキングを、いつもの如く自作しちゃいます。
ちなみにこの作例は順番間違えました。白線軍艦色塗った後最後の方が絶対効率いいはずです。orz
シデカシタのでしょうがないので、(赤地を塗った後気づきました)そのまま進めます。完成したマスクを赤字に掛け、白線部分の塗装準備を行い、塗装します。
マスクが完了したら、白を吹いていきます。この場合、少々汚れた白にしてあります。それでも、白の存在感は高いので、最終的にはウォッシングで落ち着かせてやります。(完成仕上げ最終作業時)
毎度諄いようですが、この白吹きは、適当がいいです。白を強めすぎると、はっきり浮いて見えます。ワタクシの場合、重ね塗りしていません。(正確には頃合いを見て、多少往復させて適濃度で吹いてます。)
艦首艦尾
- 艦首
艦首はパテ修正した艦首に御紋章取付板、菊花紋章、フェアリーダーを取付直して、水密ドア、絡車を設置、艦首艦橋部は、予めブルワークで再現された部分を実艦同様、幌張りにするため、切除して、手摺にしておきます。
追加工作は、艦首旗竿、張り線架台並行支柱、配管、飛行甲板前部張り線支柱、アンテナ支柱を設置します。
- 艦尾
艦尾は事前に穴あき桁、演習砲、ラッタルなど設置済ですが、追加資料にある、両舷後部フェアリーダー、樋、索、支柱、固定具、右舷後部の旗竿を設置します。写真は作業中ですが、他に、艦尾信号灯、塗装後に、ここにあと8本ほど索が入ります。
艦載機艦載艇
- 艦載機
ようやく、九六艦戦が届きそうなので(この時点ではまだですが)、艦載艇、艦載機の製作に入っていきます。
搭載予定の部品を準備します。似通った部品がありますので(内火艇など)裏面に番号振ってます(;´Д`)
夜に入ってようやく到着、早速準備です。なんの?
実はこの九六艦戦、蒼龍製作時に経験してますが、垂直尾翼と脚が別パーツで、細かいのに、なおかつ加えて、主翼の裏にしとけばいい射出形成孔が、日の丸の如くでかでかと表の翼のどまんなか!
丁寧にカンナ掛けしてやります。(わざと薄くしろって親心?)あんまり薄くはなんないんですけどね。
九六艦戦は開戦前近くになりますので、迷彩では無く、定番の銀塗装で、保安粧装状態での再現です。高さ1mm強、幅3.5mm強の報國号デカールは、前回蒼龍製作時に作成しておいたものがありますが、普通のフォントのため、どうしても、ワープロ打ちのクリアラベル貼ってるチックなので、九六艦戦の設計図を引っ張り出して、スキャンして、イラストレーターで再度作っちゃいました。
でもこのサイズって、水に浸けると何個かは、ちゃんとトップコートしてても、ちさすぎて水中で崩壊すんですよね。
識別帯のデカールがまだですが、ほぼ完成の九六艦戦、いよいよ、最後の九七艦攻です。
九七艦攻は、艦攻ですから、九九艦爆すら凌ぐ大きさなのです。つまり、大きいので龍驤の甲板ではその存在感は尋常ではありませんw
ですので、エレベーターから上がってきて、主翼をたたんだ状態のまま甲板に整列させてみます。
九七艦攻で交換、設置するのは、プロペラ、キャノピー、主脚、アンテナ支柱、主翼断面です。写真の3種の九七艦攻は、龍驤付属フジミ製、最新キット付属フジミ製(赤城からぱくってきました。)、静模製です。形状はほぼ問題ないレベルの近似値を示していますが、圧倒的に、主翼が薄いのは、失礼ですが、意外に500円の静模の日本航空母艦搭載機・前期セットの九七艦攻です。
- 艦載艇
短艇類は全部で9艘 通船大小各1、9mカッター3、12m内火ランチ3、11/12m内火艇各1です。前述の写真はキット付属の物ですが、あまりにも貧粗なので、同じフジミの最近のものを使用します。今まで製作した艦の余り物があるので、そちらからカッター以上のものを置き換え、通船はピットロード製艦船装備セットのものを使用しました。
架台は全交換ですが、モールドは省略されているので、実艦通り設置してやります。
カッターはオールと内底、内火艇、内火ランチは甲板以上総替えです。
ワタクシ定番半巻き上げ状態の幌を張り、塗装して、完成です。写真では防舷物は塗装していませんが、このあとウッドブラウンで塗装します。
残るは艦載機と、仕上げ作業となります。
完成
- 塗装
船体塗装です。工程的に先に済ませておけば効率が良かったのですが、甲板マスキング3度目ですw
今回は、細かなマスク作業では無いので、小一時間もかからない程でマスク作業終了、そのあと、軍艦色で船体全体を吹きます。
この段階で、保全用のベースから外して作業を行います。
この艦は、鋼板継ぎ目ははっきり認識できるほどでは無かったようですので、再現しなくてもいいかと思います。再現する場合は、縦の継ぎ目は不要かと思います。
喫水位置はキット自体、乾舷が低い状態で再現されてるので、敢て、喫水線部分のハルレッドは再現してありません。
飛行甲板と、艦首甲板はこの段階で、墨入れ、錆び乗せウォッシングを行ってあります。(スイマセンあんまりよく見えません(;´Д`))
短艇類は収納して、その天井に積載用クレーンとフックを取り付けます。
艦載機も搭載して、リタッチ、ウェザリング(墨入れ>黒系ウォッシング>吹き抜き>錆濃い>錆ニッチ>吹き抜き>錆リタッチ)を施し、最後にトップコートを掛けます。
- 張り線
しっかり乾燥したら、最後に張り線です。両舷アンテナ支柱を倒した状態でたれを再現、引き込み線のテンションに微妙な強弱を付けて、リアルに歪な感じに仕上げてあります。最後に、軍艦旗、信号旗を取りつけ、完成です。
完成写真
HULL SCAPE
ZOOM UP
WATERLINE VIEW
- 撮影環境
- ミニクリプトン球(電球色)4燈直射による自作撮影ブース
- 撮影に使用したカメラなどの機材
- Nikon D40X, Nikon AF-S NIKKOR 24-85mm, Nikon AF-S NIKKOR 18-55mm, Kenko CLOSE-UP Lens f330 52mm, SLIK三脚
- 撮影時のカメラの設定値
- F-18, NOFLASH, ISO100-1400, 露出補正+1.7
製品所在
皇紀弐六七壱年拾二月軍艦堂工廠第壱渠(前入渠艦長門)ニ於テ起工、同年同月竣工
あとがき
この艦は3度目の建艦です、昔、旧キット時代(今でも発売されてるのかも)の製作だったのですが、この独特の艦首形状、あの赤城加賀の三段甲板同様、ガミラス艦隊の空母のイメージがあり、大好きだったのですが、2どの建艦は何れも未完のままマクロス作ってたり、兎に角、今、完成させられて嬉しい!
キット自体の印象は、新旧の狭間的な印象が強いですね。キット的には、この龍驤より、今年発売の鳳翔の方が、圧倒的に、より緻密になってます。恐るべきフジミ!