概観諸元

分類:防空船 クラス:特設防空船(川崎汽船徴用)
艦番:-
起工:19--年起工 竣工:1930年竣工 (英商船 シルバーサイプレスとして)
型式:単艦型 艦番:-
艦名:靖川丸 初代靖川丸
由来:不明 調査中
諸元:基準排水量:-,-トン 満載排水量:-,-トン
全長:262.3m 全幅:32.0m (1939年)
兵装:

竣工時
戦没時
- 88式7cm野戦高射砲×6
- 98式高射機関砲×8


搭載機:なし
信号符字:調査中
J J J J

概要

靖川丸は英商船シルバーサイプレスが昭和12年マニラ沖にて火災擱座放棄された鉄くず(6770トン)を大阪の鉄くず業者が40万円で落札し、川崎汽船に80万円で売却したものを、鶴見製鉄造船にて再生したものである。
川崎汽船は新造船であれば、当時、3年半の歳月と500万円かかる建造費を都合210万円と2年の歳月で同等の舟を入手出来ることから、買収の踏み切ったようである。
昭和16年陸軍に防空船として徴用される。靖川丸の名前は昭和14年、川崎汽船による再生工事完了時点で、命名済である。
幾多の中国、南方系の輸送作戦に従事して、昭和17年11月第4次ブナ輸送作戦従事の帰路、ダンピール海峡にて、米陸軍航空隊のB-25の爆撃を受け、第3船艙(機関室との既述もあり)に被弾、航行不能となる。
生存者を僚艦に移し、水雷艇「鵯」(ひよどり:かわいい(*´ェ`*))により砲撃処分とされた。

Wikiなし独自編集による

同型艦:

使用部品

1941年

迷彩時

  1. 製作工程





    今回は、ポーランド製NIKOモデルレジンキットの靖川丸です。ポーランドに1/1000で凄い作品作る人がいるらしいけど、この人の関連するところなのかどうかは、定かではありませんが、(ご存じの方がいらっしゃいましたら、このページの左上の "防空船" をクリックして情報下さい。(o_ _)o)
    内容は船体と各パーツがレジン、細部に真鍮製のエッチングパーツで補完する構造です。ほぼ、このキットのみで補足が要らないほどの精密さがあります。
    船体は、かなりがさつで原型製作型をヤスったあとなどがあるため、処理が必要です。また、レジン特有の危険なバリが多数ある為、注意します。
    船体を、200番台程度の耐水ペーパーから1000番くらいまで順にサンディグして、船体表面を綺麗に均します。船尾は樹脂の形成時のはみだしとかないやらあり、綺麗なヒップラインが出てないので、丁寧にヤスリ、修正して、同様にサンディング処理します。
    ここで、全パーツを、目の細かいざるなどにとり、離型剤を抹殺するために(笑)パーツクリーナーでしつこいほど隅々まで、洗浄します。洗剤で洗うことはパーツの繊細さから考えてお奨め出来ません。パーツクリーナーが心配な場合、洗剤を少し入れた水にしばらく浸しておくことでも良いかもしれません。この洗浄作業は必須です。





    ちなみに、離型剤をそのままにして作業すると、写真のように、プラサフを吹いていてさえも、このマスキング程度で軽くプラサフ面が剥離します。
    鋼板継ぎ目は、艦首残しで、行い、今回は段差が出来るだけある方が好ましいので、数回塗り重ねて、厚塗りにします。マスク補剥がした跡、境目が毛羽立っているので、指や、2000番台のサンドペーパーなどで、均してやります。残りの甲板面もプラサフを吹きます。この面は、缶スプレーのプラサフでは、モールドが死にますので、角ビンのプラサフをタミヤラッカー溶剤で薄めたものをエア吹きしています。(船体下処理も同様に行っています。)
    先ず甲板面ですが・・・英国商船時代の名残なのか、川崎汽船の仕様なのか、そうではないのか、色はRLM23指定です。これはドイツ軍のマーク色に使用する少し落ち着いた赤です。まさに異色です。





    船体塗装に向けて、迷彩用マスキング製作です。このキットは、塗装指示が、まんま100%実寸なので、スキャンして縮尺の逆算を行わず、すぐトレースに入れます。
    マスキング製作が完了したら、艦底を艦底色で塗装し、1mmマスクで船底をマスクしていきます。艦尾のアールのキツイところは、小刻みにマスキングテークを貼ってアールにそわせ、継ぎ目の角っぽく感じる部分を刃を替えたデザインナイフで押し切りをして滑らかなカーブにします。
    ベース色の軍艦色を吹いたら、ついでに、最初の工程で使用する部品にプラサフを吹き、同様に塗装してしまいます。





    艦首高角砲座部分の一部が木甲板であるため、タン吹きです。(;´Д`)
    船体塗装に戻り、先ずは黒部分ですが、ここはスケール的にいかにもになるので、グレーブラック(タイヤブラック)で塗装します。
    次いで、つや消し白指定部分ですが、ここも同様に、トーンを落ち着かせて、グレーFS26440で塗装します。
    先程の艤装品類などの撮影がまだでしたので、アップです。しかし、さすがレジン。この繊細さはネ申です。(笑)
    写真写りはフツーなんですけどね。(;´Д`)





    塗装が完成したので、マスクを外します。これだけ万端にしても、縁などに極、微かな剥離が出ますので、レタッチを行います。(言わなきゃ気がつかないほどですが、万全を期すために処置します。)
    マスク剥がしは、塗膜の剥離を考慮して、丁寧に、優しく、方向も見極めて行います。
    甲板上の塗装に入ります。甲板はタン部分と赤床部分がありますので、先ず赤床部分をマスクして、タン部分を吹き、タン部分もマスクして、軍艦色を吹きます。
    完成したら、マスクを剥がして、先程の1工程の艤装品類を配置します。





    2工程に入ります。ここで先程のブルワークに兵装が入ります。さすが、陸軍?あまり詳しくは無いのですが、これは野戦砲でしょうか?2門と機関銃2丁です。他、中発架台、前檣および、基部、デリックポール2本、中発3艇(これはすでに、こそっと準備済でした)を配置します。
    それにしても、この機銃25mmクラスの小ささなのですが、銃口抜いてあります。すごい(笑)
    3工程です艦橋から煙突の中央構造物に入ります。ここまでの手摺は艦首を除いて設置はまだしません。艦橋部分と中央構造物にあたる部分の側板の位置が確定してからの設置となります。
    ここで、タンは全て吹き終えるため、以後のタン絡みのパーツはここで塗装してしまいます。艦橋は設置位置に注意をします。コレが悪いと、側板位置が厳しくなります。それにしても、ウナギの林立は壮観です。(笑)





    4工程の部品を準備してプラサフを吹きます。環境前面は事前に形状を合わせて、アールを付けておきます。
    塗装し終わった部品を順次設置していきます。ここで設置するトラス構造の機銃座支柱群は、必ず、事前に摺り合わせを行っておきます。
    環境前面はマスキングで迷彩を表現します。





    中央部機銃座、後部砲座、各種艤装部品を準備します。
    船体中央部側板はエッチングで用意されているので、そちらも準備します。ここは迷彩の延長がありますので、後程、パテ修正と塗装を行います。
    機銃座、艤装品類は塗装が完成したら各所設置して行きます。




    以後の工程で邪魔にならないもの、破損の危険性の少ないものを設置してしまいます。
    最後に手摺を配置して、レタッチを行い、あらの完成です。この後、ウェザリングと張り線作業で完成となります。

完成写真

HULL SCAPE

ZOOM UP

WATERLINE VIEW

 



撮影環境
ミニクリプトン球(電球色)6燈直射による自作撮影ブース
撮影に使用したカメラなどの機材
Nikon D90, Nikon AF-S NIKKOR 24-85mm, Nikon AF-S NIKKOR 18-55mm, Kenko CLOSE-UP Lens f330 52mm, SLIK三脚
撮影時のカメラの設定値
F-18, NOFLASH, ISO100-1400, 露出補正+1.7

製品所在


皇紀弐六七弐年五月拾日竣工
九州地方在住のコレクター様所有

あとがき


こういう舟が大好きです。

編集 岵囃子裕二(タヌポンの工廠長)@軍艦堂 トップへ